◎質問者（文章執筆者）の性別／女
◎質問者（文章執筆者）の年齢・学年／高校３年生
◎文章の用途（「入試用の志望動機」など）／大学一般入試の自己推薦文
◎文章の提出先（受験する大学、会社など）／地方の国立大学（医学部看護科）
◎チェックしてほしい文章／テーマ「我が国における人口減少と超高齢化社会について」 自身の考えを述べた上で、自己アピールを１２００字以内
◎チェックしてほしい事柄・ほしいアドバイス／１．きちんとテーマに沿っているか ２．おかしな文章はないか
現在、日本の人口減少と、それにともなう少子高齢化社会はどんどん進んでいます。
人口が減るということで考えられることは、悪いことばかりではありません。
通勤ラッシュの緩和や交通渋滞の減少、住宅面積の増加など、ゆとりのある生活が送れるというプラスの面もあります。ですがそれは楽観論であり、人口が減ると経済成長の減少など悪影響も目立ちます。
人口減少の大きな要因としては、出生率の低下があげられます。長引く不況が影響して、経済的負担を避けるため子供を生まない、生んでも１人だけという夫婦が増えてきまし
た。また、仕事と子育てとの両立の困難さや、晩婚による高齢出産も少子化につながっています。これらの要因には、女性の気持ちが大きく反映されているように思い
ます。日本では、育児に関しての負担の多くは女性にあります。育児の精神的、肉体的負担の大きさは、女性の出産に対する意欲を減少させています。
最近では、「イクメン」という言葉の流行が表しているように、男性が育児休暇をとる姿もみられるようになってきていますが、実社会ではあまり認められておらず、広まっているとは言いがたいでしょう。子供の数が増えなければ、人口減少は止まらず、経済も発展しません。出産に関する関心や意欲をもつこと、または社会的な受け入れは、人口増加に少なからず良い影響を与えることがで
きると思います。
もうひとつの要因は、医療技術の発達による死亡率の低下です。
日本は世界一の長寿国と言われていますが、同時に高齢者の数も非常に多い国です。そして、団塊の世代と呼ばれる人達が高齢者になれば、さらに高齢化社会は進行し、日本の社会に大きく影響します。現在の高齢化社会の特徴は、家族間の関わりをあまり持たないことです。核家族の増加には、子供や孫との同居を希望する高齢者の減少が背景にあります。結果、一人暮らしの高齢者が増え、孤独死を迎える人も増えています。また、近年急増している高齢者犯罪も、犯行動機が孤独からであるということが多いといわれています。 私が看護師を目指そうと思った理由はここにあります。
高齢者が増え若者が少なくなる、ということは、高齢者を支援する人口が減り、ますます孤独を抱える人が増えるということです。
私たちの、幼い頃の社会を作ってきてくださった方々が、孤独から犯罪を犯してしまう。とても哀しいことです。そうではなくて、「いい人生だった」と、最期のときを迎えられるその手助けしたい。それが、私が看護師を志望した動機です。
管理人回答：テーマに添っているとは言えないでしょう。
＞１．きちんとテーマに沿っているか
考えを述べて自己アピールせよと要求されているのに、社会の高齢化についての一般的解説のようなことを述べる部分がほとんどで、自己アピールではなく志望理由が少し書いてあるだけです。
＞２．おかしな文章はないか
日本語としておかしいという文章はありません。しかし、書かれた内容がおかしいという部分はたくさんあります。
まず、社会の高齢化問題についての学習が足りません。
たとえば、「超高齢化社会」の定義をご存知ですか？そのほかにも、おかしな認識がチラホラ見えます。通勤ラッシュや交通渋滞は、都市の過密の問題であって、国全体の人口問題とは本質的に関係ありません。人口が減れば、住宅面積が増えるというのも、ずいぶん乱暴な理屈です。そういうことを解説する新聞記事とか何かの論文とかがあったのでしょうか。
医療の発達で死亡率が低下することは、社会の高齢化にはつながるでしょうが、それと人口減少はどうつながるのですか？子供や孫との同居を希望する高齢者が減少するから、核家族化が進むという理屈も、核家族化の問題の常識に反しています。高齢者の犯罪防止に看護が役立つというような理屈も、むちゃくちゃです。
アレコレの問題をごっちゃにしています。要するに、高齢化や社会の問題について深く考えていないし、それ以前に、それらについてきちんと調べることもしていないとしか思えません。それで、自分の考えをしっかり述べることなど無理でしょう。