情報工学部の推薦入試で提出する文です。
<文字数 800字程度以内>
<内容 志望理由・入学後のこと・自己PRなど>
私は、日頃から「一度やり始めたことは、自分が納得するまでやりとおす」ということを信念に掲げながら生活してきた。具体的には、高校生活では部活動や応援団などの課外活動を三年間、自分が納得するまでことやりとおすことが出来た。また私は、中学校入学当初から現在まで、朝課外や夏季・冬季の特別講習も含め、無遅刻・無欠席で出席しており、このことは、私の高校生活の中で、最も誇れるものである。私が、六年間連続で皆勤賞を達成できたのは、この信念を貫けた結果だと考えている。当然、大学生活や社会に出てからも、この信念は貫き通すつもりである。
私は、近年注目を集めているユビキタス社会の実現の貢献できるエンジニアになりたい。具体的には、無線通信分野を専門とし、通信ネットワークの整備を行うネットワークエンジニアになりたいと考えている。
このように考え始めたきっかけは、進路検討の際に読んだ「学問前線2006」という本との出合いにある。この本の中にあった、身の回りのさまざまなモノにコンピュータが搭載され、ネットワークでつながり自動的に私たちをサポートしてくれる、という未来の生活に、私は非常に興味をそそられ、自分の手で実現したいと思うようになった。
私のこのような目標は決して単純にかなえられるものではなく、実現するためには、いくつかの重要な学ぶべきテーマがある。それを今のところ私は、「情報通信技術に関すること」「セキュリティなどの側面から見た、無線通信の安全性・信頼性」だと考えている。
これらのテーマを掲げたうえで、私が実際にネットワークエンジニアとして生きていくための技術を学べる学校をいろいろと調べた結果、貴学科と出会うことができた。貴学科を志望した最大の理由は、充実した設備の下で、先端研究を行っている教授の先生方から、教育を受けられることだ。特に私は、XX教授がなさっている無線通信に関する研究に、強く興味を感じている。そのほかにも、一年次から専門分野を学べる点や、三年次から始まる「情報ネットワーク講座」などの講座、ソフトとハードの両方を学べる多彩なゼミなど、魅力的な点が数多くあることも理由のひとつである。
私は、大学での研究を進めるうちに、先に挙げたようなテーマのほかにも、目標達成のために学ばなければならないことは増えていくだろうと考えている。だからこそ、より多くのことを学び、専門的な知識を身につけるために、大学卒業後は大学院に進学することも視野に入れている。そして博士の学位を取得することを、目標達成のための第一歩とし、未来の通信ネットワークの整備と発展に努めたいと思う。
以上が下書きです。
自分で読んでみて
・特に前半部の自己PRに具体性がない
・各段落のつなぎ(特にPRと志望理由の部分)がおかしい
と思いました。
上記のもの以外に気付いたおかしい点のご指摘と
上記のものも含めた添削をお願いします。
管理人回答:自覚なさる通りです。
・特に前半部の自己PRに具体性がない
前半というより、最初の段落ですね。その通りです。
部活動や応援団などの話があるので、完全に抽象的だということはないのですが、具体性がまだまだ不足しています。たとえば、そういう活動をやり通すために、どういう苦労があり、どういう努力をしたのかを、書けばいいでしょう。
ついでながら、「信念」の解釈が不自然です。
「一度やり始めたことは、自分が納得するまでやりとおす」のが信念だということはわかりますが、それと無遅刻無欠席は直接関係ないでしょう。
六年間連続で皆勤賞を達成できたのは、この信念を貫けた結果だという論旨は、変です。ある活動を続けるのに、さまざまな理由で欠席することも考えられるはずであり、欠席したからといって、それはやり通すという信念がないからだ、とはいえないでしょう。
・各段落のつなぎ(特にPRと志望理由の部分)がおかしい
おかしい、というよりも、関連がないのです。
もちろん、必ずしも志望理由と自己PRに関連性がないと駄目だとは言えませんが、関連があるほうがアピール度は強いでしょう。
志望理由の部分が、一般論に終始している印象です。当たり前の話ばかりで、あなた自身の考えがありません。そのため、説得力が乏しいのです。
管理人は、ユビキタス社会などクソクラエ、哲学のない技術至上論だと思っていますが、あなたはなぜユビキタス社会の実現が必要だと思うのかといったことを書けば良いのではないですか。
再度添削のお願い
前回はかなり規定字数をオーバーしていたため、自分でいらないと判断した部分と、アドバイスしていただいたことを考慮しながら大幅に書き直しました。
<文字数 800字程度以内>
<内容 志望理由・入学後のこと・自己PRなど>
私は「一度やると決めたことは、自分が納得するまでやりとおす」ということを目標としながら生活してきた。具体的には、中学校入学当初に定めた「三年間皆勤賞もらう」という目標を達成することができた。この目標は三年間の高校生活でも達成しており、現在の私が最も誇れるものでもある。六年間の学生生活の中では、学校を休みたくなる日が幾度となくあった。しかし私は、目標を達成するために自分を叱咤し、踏ん張ることでそれらを乗り越えてきた。
私は将来、ユビキタス社会の基盤を成す通信ネットワークの整備と発展に携わるエンジニアになりたい。現在、発展段階にあるユビキタス社会を実現するための技術開発は容易ではないと思う。しかし私は「困難にぶつかっても、踏ん張り、目標を達成の努力をする」という自身の長所を生かして、ユビキタス社会の実現を基盤整備の面から支え、高齢者や障害者や子供が、安心して暮らせるような社会を作りたい。
この目標を掲げたうえで、私が実際にネットワークエンジニアとして生きていくための技術を学べる学校をいろいろと調べた結果、貴学科と出会うことができた。貴学科は、充実した研究設備の元で一年次から専門分野を学べ、大学院まで一貫した教育を行っている点で、大学院への進学も視野に入れている私にとって非常に魅力的である。他にも、三年次から始まる「情報ネットワーク講座」と「通信理論講座」の講座内容には、特に強い興味を感じている。また、技術面のみならず「技術者倫理講座」等にも真面目に取り組み、ユビキタス社会が技術者の独りよがりにならないよう、さまざまな視点から考えられるような能力を養っていきたい。
以上のようなことを主眼におき、常に目的意識を持って、充実した大学生活を送りたい。
<801字>
前回のものと読み比べて、どうでしょうか?
・削らないほうがよかったこと
・まだ削るべきこと
・書き加えるべきこと
・全体的な印象
・何でもいいので気付いたこと
などのアドバイスをお願いします。
管理人回答:良くなりました。
ただし、構成を再考したほうが良いでしょう。
志望理由があって、将来への抱負があって、そういうことを実現するために、自分にはこういう長所がある、という流れが自然で判りやすいでしょう。
考え方の違いでしょうが、管理人は皆勤賞、あるいは皆勤をそれほど強調するのはどうかと思います。入学の最初からそれを目標にする、というのも、中学生という若者としてどうでしょうか。勉強なり部活なり、毎日一生懸命に取り組んで、その結果一日も休まなかったというほうが、自然です。