◎質問者(文章執筆者)の性別/男
◎質問者(文章執筆者)の年齢・学年/27 学部卒
◎文章の用途(「入試用の志望動機」など)/学士編入試験の自己推薦文と推薦書
◎文章の提出先(受験する大学、会社など)/○○大学
◎チェックしてほしい文章/
○○君は、平成23年3月に○○大学歯学部を卒業し、同年4月より○○大学付属病院歯科口腔外科にて、歯科研修医として1年間研修を行いました。その後、平成24年4月より当院にて勤務しています。
当院での診療に対する姿勢には目を見張るものがあり、患者様に対して親身になって話を聞き、診療に努めています。またスタッフに対しては明るく振る舞い、率先して後輩指導にあたり、協調性とリーダーシップを兼ね備えています。まだ歯科医師として経験は浅いものの、安心して診療を任せられるところは大いにあります。
○○大学歯科口腔外科での臨床研修の際には、自ら積極的にBSL、ICLSコースに参加し、向上心を常に持ちつつ日々を過ごしていたと聞いています。当院では勤務して間もないのですが、○○君の患者様を思いやる心、行動力を実際に垣間見た出来事がありました。○○君から『自分が使用している歯ブラシが非常に良く、患者様の歯周病の改善に期待できるので、患者様にお勧めしたい』という提案がありました。私は、院内では話し合い、スタッフが納得したら採用すると伝えました。翌日には資料等を準備し、スタッフに対して、どんな点が歯周病の病態改善へ寄与するのか、ブラッシング指導方法等を説明してくれました。小さいことではありますが、○○君の患者様を思いやる心、新たな価値を見いだし実践する行動力、周囲を巻き込む力によって院内スタッフに意識変化がもたらされました。新しい環境でも積極的に周囲と関わることによって、自分の位置をも確立できる人間であると確信いたしました。
○○君に志望動機を尋ねたところ、『臨床研修の中で全身状態の把握や管理等を学ぶにつれて、人体について理解をさらに深め、口腔から全身にかけて総合的に診ることができる医師になりたいと思うようになった。また、学生時代の、離島診療の体験から地域医療の重要性を学び、地域医療についてもさらに学んでいきたい』と決意したと聞いています。
医師として誇りと責任感を持つ、そのための知識、技術、心構えをさらに身につけていきたいと、○○君は貴学への編入学を強く希望しています。
是非とも新たな目標、社会貢献できる機会を与えて頂けるよう、ここに推薦申し上げる次第でございます。
よろしくご高配の程よろしくお願い申し上げます。
◎チェックしてほしい事柄・ほしいアドバイス/
文章として矛盾しているところはあるか。
説得力があるか。
改善するとしたら、どのように改善すべきか。
管理人回答:説得力は極めて弱いです。
>文章として矛盾しているところはあるか。
>説得力があるか。
→矛盾というほどのことではないですが、下記、
>自ら積極的にBSL、ICLSコースに参加し、向上心を常に持ちつつ日々を過ごしていたと聞いています。
⇒伝聞した話、とくに被推薦者本人から聞いた話を材料にして推薦するというのは、推薦文としてまったく意味がありません。説得力ゼロです。
説得力に関してもう少し言うと、要するに肝心のところで具体性がありません。たとえば下記、
>患者様に対して親身になって話を聞き、診療に努めています。
⇒どんな患者に対してどんなふうに親身なのか、具体的に書かないと、絵空事です。
また、この一文の主語を、被推薦者であるあなたを指す「私は」にしても、推薦者から見たあなたを指す「彼は(志願者は)」にしても、どちらでも通用します。ということは、それだけ推薦者から見た内容になっていないということです。
下記も、
>スタッフに対しては明るく振る舞い、率先して後輩指導にあたり、協調性とリーダーシップを兼ね備えています。
⇒明るく振舞うとはたとえばどんなことか、率先して後輩指導にあたるとはたえとえばどんなことか、協調性とリーダーシップを兼ね備えていることを示す事実や出来事は何か、具体的に書かないと、決まり文句の羅列です。
下記も、
>周囲を巻き込む力によって院内スタッフに意識変化がもたらされました。
⇒院内スタッフに意識変化がもたらされたことなど、どこに書いてあるのでしょう?
また、推薦書に本人の志望動機を書いても意味がありません。本人がこう言っているから、こうだ、というような推薦文は説得力ゼロです。