大学院進学用の教授推薦状について 質問者/田中

今年23歳男です。
今年の三月に大学の理系学科(医学部の中の生物学系、医療資格はなし)を卒業しました。卒業研究は公衆衛生の教室でした。
今年度、大学院の国際保健学分野(主に発展途上国の健康問題を研究する分野)を受験するにあたり学部のときの教授の推薦状を受ける教室の教授に求められました。そのことを大学のときの教授にお願いしたら原案を書くように言われたので、以下の文章を書きました。
教授の推薦状として不適切な点があるかどうか、添削していただければ幸いです。

この度は田中君が貴院、国際保健学を受験するにあたり、推薦辞を差し上げたく存じます。彼は公衆衛生を基に地域社会の健康問題に取り組んでいきたいという動機から四年次の卒業研究のために私の研究室を訪れました。
彼は人々の健康に対する意識を把握し、それを行動につなげていくための方法を実践と理論で学んできました。卒業研究では日常の生活の中での運動量を増やすことで動脈硬化症を改善する研究を職場の方を対象に行いました。その過程で対象者がどう自分の健康状態を考えていて、どのように日常の運動を増やしていくかの意識調査をしてきました。そして運動による成果を対象者に解説して動機づけを行っていくことで行動変容に結びつけることに成功しました。動機付けのための健康教室では資料の準備やプレゼンの作成などを毎回行い、夜遅くまで頑張って取り組んできました。
 また、彼は今後研究を行っていくうえでの基礎的知識を十分に養ってきたと言えます。卒業研究以外では教室の論文抄読会や疫学の勉強会に参加して公衆衛生の基礎を勉強してきました。論文や疫学の内容を熱心に勉強し、理解を深めていきました。
彼は課外活動で国際保健を学ぶ会に参加して、実際に研修としてベトナムへ行き、海外での研究活動を志すようになりました。現在彼は国際保健をもっと学び、発展途上国の健康問題に取り組んでいきたいと強く希望していますので、ぜひ機会を与えてやっていただけるよう強く推薦する次第であります。

“大学院進学用の教授推薦状について 質問者/田中” への3件の返信

  1. 管理人回答:説得力、リアリティがありません。

    なぜ、説得力やリアリティがないかというと、推薦者の立場からの記述になっていないからです。単に、形式上、推薦者が書いたようになっているだけです。たとえば、

    >彼は人々の健康に対する意識を把握し、それを行動につなげていくため~~
    >~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    >プレゼンの作成などを毎回行い、夜遅くまで頑張って取り組んできました。

    の部分ですが、最初の「彼は」を「私は」に置き換えれば、まったくあなたが記述したと理解するほうが自然なほどです。実際、その逆をやったのではないかと思えるほどです。

    推薦状というのは、推薦者が被推薦者との交流、関わりのなかで知り得た事実をもとに、被推薦者の能力や人格などを評価するものであるということを意識して、書き直すべきでしょう。
    推薦者が知るはずのないことを推薦の理由にしても説得力はありません。単に、被推薦者に言われたことをそのまま書いたと解釈されます。そんな推薦状に、あまり価値や効果がないのは、言うまでもありません。

  2. 訂正してみました。
    指摘されたところを変え、教授からの視点を意識して書き換えたつもりですが、問題点は改善されているでしょうか?

     この度は田中君が貴院、国際保健学を受験するにあたり、推薦辞を差し上げたく存じます。
     彼は公衆衛生を基に地域社会の健康問題に取り組んでいきたいという動機から四年次の卒業研究のために私の研究室を訪れました。
     彼の一番の特徴として親しみやすい性格が挙げられます。教室の中では明るく、他の教職員や学生ととても良好な関係を築いていました。さらに卒業研究では職場の従業員の方々に日常生活の中に運動を取り入れてもらう取り組みを行っていましたが、その従業員の方々からも親しまれ、親身に話を聞く姿勢もあったために取り組みもうまくいったと言えます。
     また彼は熱心な学生で今後研究を行っていくうえでの基礎的知識を十分に養ってきました。卒業研究のための健康教室では資料の準備やプレゼンの作成などを毎回行い、夜遅くまで頑張って取り組んでいましたし、教室の論文抄読会や疫学の勉強会に参加して公衆衛生の基礎を勉強していました。その中で論文や疫学の内容を熱心に勉強し、理解を深めていきました。
     彼は課外活動で国際保健を学ぶ会に参加して、実際に研修としてベトナムへ行き、海外での研究活動を志すようになりました。現在彼は国際保健をもっと学び、発展途上国の健康問題に取り組んでいきたいと強く希望していますので、ぜひ機会を与えてやっていただけるよう強く推薦する次第であります。

  3. 管理人回答:具体性が足りません。

    これは推薦状であろうが自己推薦であろうが、その他の文章であろうが同じですが、できるだけ具体的に書くということが、その文章のリアリティや説得力を高めます。推薦状で言えば、具体的に書くことで、「なるほど、この推薦者はそういうところを見て、被推薦者のことを高く評価しているのだな」と、理解できるのです。

    多少は、教授からの視点ということを意識した書き方になっていますが、具体性がないので、結局、同じことです。「親しみやすい性格」とか、「教室の中では明るく」とか、「他の教職員や学生ととても良好な関係を築いて」いたとか、「熱心な学生」だとか言っても、具体的にどんな様子だったのかが書かれていないので、説得力がなく、また、いかにも教授が書いたという印象が希薄なのです。

    論点はズレますが、大学院進学の推薦で、第一の特徴に「親しみやすい性格」などをあげてどうするのですか?問題は、院生として研究で成果をあげられるかどうか、その意欲が十分か、そのための能力や技術があるか、でしょう?
    そのことが書かれているのか下記でしょうが、

    > また彼はで今後研究を行っていくうえでの基礎的知識を十分に養ってきました。

    その説明が、とくに具体的な説明が不足です。
    卒業研究のための健康教室で、資料の準備やプレゼンの作成などを毎回行うのは、当たり前でしょう。夜遅くまで頑張って取り組んでいたからといって、能力の説明にはなりません。教室の論文抄読会や疫学の勉強会に参加して公衆衛生の基礎を勉強したのも、当たり前です。勉強して、どういう成果をあげたのか、どんな能力や知識をどの程度身につけたのかが、書けていません。
    「理解を深めていきました」などという抽象的な表現では、まったく説得力がありません。

    具体的に書くということがよくわからない場合は、下記も参考にしてください。
    http://writingsolution.biz/past/0018.htm

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