◎質問者(文章執筆者)の性別/男
◎質問者(文章執筆者)の年齢・学年/24歳 大学院生
◎文章の用途(「入試用の志望動機」など)/入社試験の小論文(練習)
例年、医療関連の新聞記事が提示され、それを元に思うことをその場で書かされます。
今回は練習として「上手な薬の飲ませ方」という記事を選びました。小児患者に薬を服用させるための工夫を、積極的に教えている薬局があるという記事です。水薬をカステラに吸わせて食べさせたり、粉薬をジャムに混ぜて食べさせたりといった内容が紹介されていました。(産経09.12.23)
◎文章の提出先(受験する大学、会社など)/医療用医薬品の品質検査会社
本文には「薬」という表現が用いられていますが、医師から処方される医薬品(医療用医薬品)を指します。
◎チェックしてほしい事柄・ほしいアドバイス/文章の流れ
◎質問したい事柄/
・段落ごとに言いたいことが明確か。
・段落間のつながりは自然か。
・800字で記入する小論文ですが、60文字ほど余ってしまいました。膨らませるならどの部分でしょうか。
◎チェックしてほしい文章/
■薬を飲みやすくするために
「できるなら薬を飲みたくない」というのは万人に共通した思いだろう。健常な成人でもそう思っている。服薬の意味が分かっていない小児や、体の働きに制約のある高齢者・身体障がい者であればなおさらだ。しかも、飲みにくい理由は人によって異なっているため、画一的な対策は難しい。
そこで個別の対策が必要となる。薬の苦みを嫌がる小児には、甘い食品に混ぜて食べさせる方法がある。処方された薬が多く、いつ・どの薬を服用すればよいか理解できていない高齢者に対しては、朝・昼・夕・就寝前といった服用時点ごとの一包化が推奨される。また、盲人の患者には点字を貼付した薬袋を使用するというサービスも行われるようになってきた。
このような、既存の薬を飲みやすくする工夫が必要である一方、服用しやすい形態の薬を作る努力も必要である。現在、製薬会社はこのテーマに積極的に取り組んでいるように見える。服用の方法を内包装に明記した内服薬や、使用した回数が小窓に表示される吸入薬、一日一回の投与で済むように作用時間を延長したステロイド点鼻薬などが取り組みの例である。
これまで述べてきた服用上の工夫や製薬上の努力は今後よりいっそう進展させるべきである。そのためには政策によ支援が大事である。薬局において小児の服薬指導を成人の服薬指導と分けて高報酬にすることや、一包化の報酬を引き上げること、点字付き薬袋の有料化などが有効であろう。また、服用しやすいように改善された薬の薬価を高く評価することである。
こうすることにより、患者の負担を減らすことができ、規則正しい服用を助けることになると考える。