消防の訓練について小論文を書くことになりました。
以下の二点について添削お願いいたします。
①文章構成で分かりにくいところはないか?
②伝えたいことがわかるか?
以前に保険会社が調査した航空機事故に遭遇する確率は1/200,000であり、1人が485回乗って1回の事故に遭遇すると発表されていた。そんな確率でもありながら空港消防隊は航空機事故が今日、明日にでも遭遇するかもしれないと思いながら様々な「訓練」をしている。 こんな確率まで挙げられながら、そこまでしても「訓練」が必要なのであろうかと疑問があってもおかしくない、しかしながら極めて必要である。航空機事故は、いったん発生すれば、大惨事となる恐れがあり、初期における消火救難活動が極めて重要である。しかし、「訓練」とはそれだけである訳ではない。
そもそも何のために「訓練」をするのか、探っていくと「個人的な効用」・「消防体制の確立」との二つの意味合いが考えられる。そしてこの二つは密接に繋がっているのではないだろうか。
まず、訓練の持つ「個人的な効用」とは何か、それは第一に知識の獲得であり技量の発展であろう。我々は消火救難体制に疑問と課題を抱えている、そして必要な知識を得るために本を読み、講義を受けて訓練で結果を出して技量と知識を高めていく。しかしそれだけでなく反復し、災害現場を再現していくことで情報収集整理・判断能力を養い、即応体制を得ることが出来るのではないか。それらは個人にとって知識の源であると同時に、技量を高めるための反省と課題という素材である。このように様々な「個人的な効用」を得るために訓練を必要としているのである。
一方訓練の持つ「消防体制の確立」とは何か、それは大げさに言うと「同一の仲間による発展」である。もし一切の訓練を止めたらどうなるか? 考えてみると明らかになる。訓練を行わなければ部隊行動の能力と知識が衰えていき、適性且つ効果的に任務遂行が果たせない。 つまり消防体制の維持・発展が無くなってしまうであろう。別の観点からすれば、昔から訓練によって今の近代消防体制が成立しているといえるのではないだろうか。例えば航空機事故事例によって様々な経験・知識が「飛行場緊急計画書」といった形で残り、新たな知識と技術による体制が生まれてくるのである。我々は過去の事故事例による遺産を、「訓練」を通じて受け継いでおり、更には次の世代に伝える役割を担っていると言えないだろうか。これが訓練の「消防体制の確立」である。
「個人的な効用」と「消防体制の確立」が普段の訓練に、この様なことが潜んでいると、意識していれば訓練をする際の心構えも違ったものになるのではないか。「知識と技術の発展」ということを考えれば、訓練で学んだ経験と対策を積極的に情報発信することによって、航空機事故に際して消防機関が有効な消火・救急救助活動等を実施するためには、必要な初動体制を確立するとともに大規模災害用資機材の整備を計画的に進め、これらの資機材をはじめ、消防機関の保有する装備、人員等を広域的に活用できる体制を強化することが出来て、初めて訓練というものが完結していくのではないだろうか。そして、隊員一人一人が職責を自覚した訓練を行えば、様々な災害の分野での発展に役立つであろう。
何気なくこなしている訓練が、時には個人の範囲を超えた役割を果たすこともある。「個人的な効用」「消防体制の確立」を持つ「訓練」は極めて重要である。