昇格・昇進・昇任各種試験の課題論文では、会社側からテーマ、つまり出題文が明示されています。それが、たとえば「昇格後、どんな課題に取り組みたいか、具体的に述べよ。」といった簡単なものならよいのですが、最近はそうでない場合も少なくありません。
もっともよくあるのは、会社の経営理念や経営方針、会社としての直近の取り組み課題などを数行ほど挙げ、それを踏まえて「あなたはどう行動するのか?」といった問いになっているケースです。この前置きが曲者です。論文執筆者を惑わせるのです。
というのも、会社の経営理念や経営方針といったものは、言わば社会的な建前=社会に向けてのメッセージになっている場合が多いのです。会社としてほんとうに社員(昇格・昇進・昇任をめざす論文執筆者)に期待すること、つまり書かせたいことは、売上や利益の拡大、業務の効率化、技術開発の進め方といったことなのに、それが建前としての理念や方針の背後に隠れてしまっている訳です。
その部分をうまく読み取ることができず、会社の掲げる建前としての理念や方針に引きずられて、的外れな話を延々と書く人が、時々います。出題文をよく読めば、そして普段から会社や所属部署の方針、上司の指示などを十分に理解していれば、会社が出題文に込めた真意はすぐにピンと来るはずですが、そこが心もとない状態になっているのです。
会社が建前として出題文の前置き部分に述べたことは、本音で言えばどういうことなのか。そこを的確に“翻訳”できるかどうか、それ自体に執筆者の評価がかかっていると言ってもいいでしょう。それも含めての、論文試験なのです。
と言っても、それほど難しいことではありません。多くの場合、出題文のポイントは後半部分にあります。私たちは、昇格・昇進・昇任試験の課題論文のご注文を受けた場合、その出題文の全体はもちろん、付随して示される注意書きなど、すべてを教えていただくようお客様にお願いします。しかし、実はひと通り目を通したら、出題文の後半部分だけに注意を集中することがほとんどです。付随する注意書きなども、あまり意識しません。無視してよいという訳ではないのですが、それに注目し過ぎるとピント外れになってしまうからです。
出題のポイントが理解できれば、前置き部分の意味も注意書き部分の意味も、おのずと判るものです。そして、それを多少は意識して、執筆して行けばよいのです。
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